舞台「野良女」公式サイト

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  • 2017.03.20脚本・オノマリコさん、演出・稲葉賀恵さんコメント


    舞台「野良女」稽古場より、脚本・オノマリコさん(趣向)、演出・稲葉賀恵さん(文学座)からのコメントが届きました!

    オノマリコさん(脚本)コメント

    今回の野良女は「20代後半でこれから30代になる」人たちの話なんですけど、そもそもお芝居の対象になるものって若者を主人公にした、もっと若い年代の話が多いと思うんです。
    30代っていうのは、男女関係なく褒められたり、注目されることが少ない気がするんですよ。“忍耐の十年”みたいな。
    でも、この年代って人生においてすごく頑張っている頃ですよね。もっと褒められてもいい頃なんじゃないかと私は思っていて、今回の「野良女」はそういうところに共感をしてもらえる舞台になると思います。
    あとは、かかわってくださる素晴らしいスタッフの方々の“悪ふざけ”というか、散りばめられたいろいろなアイデアを楽しく見ていただければ、と思います。期待して観ていただきたいです。


    稲葉賀恵さん(演出)コメント

    この話をいただいたときに、こういう類の30代女子を扱った作品を探したら、ものすごくたくさんあったんです。結婚に迷う人とか、自分がどうすればいいかわからない人のための啓発本とか、30代女子独身を扱った漫画もいっぱいあって、片っ端から読んでみました。
    そのうえで、今稽古場で実感しているのは、どう一味違うか言うのは難しいんですけど、同じ題材を扱ったほかの作品とは、少し違う質感になりそうだな、と思うんです。

    っていうのも、演劇だから、生々しいところを生々しいまま見せるのではなく、そこから距離を置いた演劇的表現で攻めてみよう、っていう目論見があって。演劇だと生身の人間が演じるわけで、言ってみると、よくある30代のお話以上に“生身の人間と戦うってどういうことだっけ”とか、いろいろ要素が増えるんですよね。言い換えると、“広い”というか、“私生活半径一メートルの話みたいなところもあるんだけど、実は地球全体の話”みたいな広さがある。「男と女と、それ以外の人たちと、それしかいない。どうにかその人たちだけで生きていかなきゃいけない」っていうことぐらいに話が広がるようにも見えるんです。 それこそが演劇の力なんじゃないかと信じているところもあって、そこに変な自信もあります。

    観たあとに「わー、楽しかったね」って感じてもらうよりも、「興味深いものを観たね」ってなる人たちもいていいんじゃないか…って思うんですよ。そう思ってもらえる芝居にしたいです。
    あと、30代じゃなくても楽しめるんじゃないかとも思いますね。「野良女」に出てくる悩みって、30代だけじゃなくて普通にいろんな人が感じる悩みじゃないかと思っていて、30代だからってことを言い訳にしているだけで、男の人でも女の人でもずっとつきまとってるものを描いているんです。「30代に限った話じゃないぞ」ってことを思い始めたんですね、稽古してて。 だから幅広い世代に観てもらいたいです。いま世に出ているものとは一味違ったものになるんじゃないかなって予感がしてます。